info@formless.jp

不登校の人数を、学びが続いたかで読み直す

文科省の調査に出た人数と支援方法を、国際的な教育指標の限界と並べて考える。

教育
机の上に置かれたノートと筆記具
イメージ写真 / Unsplash

最多という数字の内訳

文部科学省の令和6年度調査では、小・中学校の不登校児童生徒は約35万4千人で過去最多、高校は約6万8千人だった。小・中学校の不登校は12年連続で増え、学校内外の機関で専門的な相談・指導を受けていない小・中学生は約13万6千人、90日以上欠席した人は約6万7千人とされた。

一方で、文科省は小・中学校の新規不登校児童生徒数が9年ぶりに減り、不登校継続率も低下したと説明している。人数が増えたという結果と、増加の勢いが下がったという結果は同時に成立する。どちらか一つで学校の状況を評価することはできない。

欠席中の学びを記録する仕組み

調査では、欠席中に自宅や学校外で行った学習の成果を指導要録に反映した児童生徒数の把握を始め、約8万1千人だった。高校では、全日制・定時制の不登校生徒のうち遠隔授業を行った人が2172人、そのうち単位を修得した人が1405人、通信教育を行った人が416人で、単位修得者は287人だった。

この内訳は、出席日数の代替を一律に示すものではない。学校外の学習をどう評価するか、本人の希望や教科の条件に合っているかを、学校ごとに確認するための材料である。

国際比較でも、指標の定義が結果を変える

UNESCOの2026年GEM報告書は、2024年に世界で2億7300万人の子ども・若者が学校外にいると推計し、初等教育の修了率は88%、前期中等教育は78%、後期中等教育は61%だった。参加率や修了率は教育機会を見る手がかりだが、国ごとの年齢区分、遅れて入学した人の扱い、調査の欠測が異なる。

同報告書は、就学外人口が伸び悩む一方で修了率が上がる現象を、留年率の低下とも結びつけている。国内の不登校統計と世界の就学統計は直接比較できないが、人数の後ろにある定義と経路を確かめる必要がある点は共通している。

次に見るべきは、支援につながったか

文科省は、学校内の支援センター、学びの多様化学校、教育支援センター、オンラインの授業や相談など、多様な学びの場を挙げている。公開された人数は出発点であり、支援を受けた期間、学習の継続、本人の選択がどうなったかまでは表さない。地域や学校単位の記録を重ねて初めて、数字が対策の判断に使える。

参考資料

本文は、以下の公開資料を確認して編集しています。リンク先の内容と公開時点もあわせてご確認ください。

すべての記事へ

視点を、もうひとつ。