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DXの成果を、効率化と成長に分けて測る

IPAの2025年調査と2026年改訂指標から、目的・規模・スキルの条件を確認する。

DX
ネットワーク機器が整然と並ぶサーバールーム
イメージ写真 / Unsplash

取組率だけでは、現在地が分からない

IPAの「DX動向2025」は、2025年に実施した日本・米国・ドイツの企業調査をまとめている。日本で何らかの形でDXに取り組む企業の割合は77.8%で、2022年の69.3%から上がった一方、2023年度から2024年度にかけては増えておらず、頭打ちの傾向も示された。

この数字は、DXが社内に広がったかを読む材料にはなる。しかし、取組の有無だけでは、業務の一部をデジタル化したのか、新しい顧客価値を作ったのかを区別できない。評価する前に、対象の活動と成果の種類を分ける必要がある。

効率化と成長は、同じ表に置かない

同調査では、日本企業のDXの目的と成果がコスト削減やリードタイム短縮などの業務効率化に偏る一方、米国とドイツでは売上や市場シェアの向上など企業価値を高める成果が目立つと分析している。調査が示すのは各社の回答傾向であり、DX施策が売上を生んだ因果関係を証明するものではない。

社内の処理時間を短くする施策には、時間、件数、エラーなどの指標を置く。新しいサービスや販売経路を試す施策には、利用者の継続、売上、利益、対象市場などを別に置く。目標が違う施策を一つの「DX成功率」にまとめると、判断に必要な差が消える。

企業規模とスキルの差を、平均値で隠さない

日本企業のDX取組割合は、従業員1,001人以上で96.1%だったのに対し、100人以下では46.8%だった。DXを推進するために必要なスキルを把握し、現在の過不足も把握している企業は14.9%にとどまり、必要なスキルを把握できていない企業は57.1%だった。

同じ「導入済み」でも、予算、人材、業務範囲が違えば次に測るべきものも変わる。

部署単位の試行なら現場の作業とデータ連携を、全社施策なら意思決定と人材配置を対象にする。調査結果を自社の成果と取り違えず、自社の母数と対象範囲を添えて記録したい。

2026年改訂の自己診断を、行動の前に使う

経済産業省とIPAは2026年2月、企業が現状と課題を共有して次の行動につなげる自己診断指標として「DX推進指標」を改訂した。成熟度レベルは0から4を個社内の取組が行われている水準、レベル5を個社を超えて社会価値を創出する水準として設定し、定量指標はデジタルガバナンス・コード3.0の5つの柱に基づいて見直された。

この指標を使うときは、診断結果を順位にせず、次に確認する条件へ変換する。たとえば、成長を目標にした施策なら顧客価値の指標と責任者を置き、効率化なら対象工程と基準時間を明記する。IPAの調査は企業の回答を集計したものなので、実装前後の自社データで別途確かめる必要がある。

参考資料

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